Thursday, April 15, 2010

野口里佳、ボードリヤール、村上春樹、ウォーホル



陽のあたる教会で : by naoton


先生、お元気ですか?
わたしは、なんとかやってます。

たまに先生のことが恋しくなってゼミのホームページを覗いてしまいます。

でも、なんかよく分からないんです。
なぜ先生が "gallery"のカテゴリーにあの4つ引用を載せたのか。
最初の写真家の野口里佳のものは、"photo"にちなんでいるので分かりますが、
その他の3つを、なぜ敢えてそこに載せたのか。


誤解しないで下さいね。私はどの引用も好きです。
特にウォーホルのものは。



***



「自分が手を触れることで世界が変わってしまうなら、それはよくないことだと思っていた。
でも今は自分も世界の一部だと思っている。だから私は世界に触れてもいいのだと思うようになった」 ― 野口里佳



「世界がわたしたちのことを反映し、世界がわたしたちのことを考える。これが根本原則だ」 ― J. Baudrillard






「深刻になることは必ずしも真実に近づくことと同義ではない」 ― 村上春樹



時が変えてくれると人は言うけれど、実は自分で変えなければならない。
何年も同じような問題で惨めになっている人もいるけど、
「だからどうなの」と言えばいいのよね。ぼくの好きな台詞――だからどうなの。
「母親に愛されなかった」だからどうなの。
「ダンナがもうやってくれない」だからどうなの。
「出世したけど孤独なんだ」だからどうなの。
ぼくはこのことがわかるまでどれぐらいの思いをして生きてきたことか。
ずいぶん長いことかかったけど一旦納得するともう忘れない。
幸せであろうとすればできるのにわざわざ悲しい時間を引きずって生きるというのはなぜだろう。



***



先生というのは、私の偉大なる恩師で、私が所属していたゼミの先生のことである。
私の人生において、私に多大なる影響を与えた人物のうちの一人だ。

たぶん、先生がいなかったら今の私はなかったと思う。
今の私の原型のような物が形作られたのは、先生のゼミに入ってからで、
アートだとかそういったものに、少しずつ興味を持たせてくれたのが先生だった。

惜しくも先生は約1年半前に他界された。
まだ30代の半ばという若さで。


時々、先生のことが恋しくなり、まだ残っているゼミのホームページを見に行く。


ホームページには
"home," "about Us," "works," "messages," "gallery," "bbs," "mail"
の7つの項目があって


"gallery"には先生と何人かのゼミ生が撮った写真が収められているのだが、


その "gallery"のトップのページには
先生とゼミ生の名前と、それぞれのアルバムの名前が載せられていて
その前後に、先の引用文の初めの2つと後の2つが共に載せられているのだ。


当時、先生がそのサイトの管理を一人で行っていて、
そういった引用文も彼の嗜好で載せていたのだと思うが、
その当時はなぜか先生にどうしてあれらの引用を載せたのか聞く事はなかった。
そもそも、そんなに気にもならなかった。


先生がいない今、あのホームページについて聞いてみたいことがいくつか。



ねぇ、先生?





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Friday, April 2, 2010

SANAA: New MuseumとThe Pritzker Prize



数日前のYahoo!ニュースに、そんな見出しのニュースが載っていた。




The New Museum of Contemporary Art, photo by Dean Kaufman



New Museum を初めて訪れたのは、
3年半ほどもNYに住んでいながら、そんなに前の事ではない。


今年の2月の始めに、東京から遊びに来ている友達とLower East Side / Soho エリアを
散策しがてら訪れたのが、その時だった。


もっとも、美術館が現在のBowery Streetに移転し新しくオープンしたのが
約2年前の2007年12月なのだから、そのこと自体がそんなに前のことではないのだが。



私はその友達とそこに訪れるまで、
その建物が日本人の建築ユニットSANAAによって手掛けられたということを、
たぶん知らなかった。


たぶん、というのは
SANAAというユニットの名前は知っていたし、
彼について何かしら読んだ事もあったわけだけど、
実際にどんな建築物を立てたかということまでは、ほとんど記憶していなくて
New MuseumがSANAAによって設計されたものであると友達が口にするまで
New Museum=SANAAという認識がなかったと思うから。



私の記憶なんて本当に当てにならない。


そもそもこのブログも、
何でもすぐに忘れてしまう、容量の小さすぎる私の脳のために、
大事な忘れたくないこと保存しておくための外付のデータベースのようなものである。




SANAAというのは建築家の妹島和代と西沢立衛からなるユニットで、
冒頭のニュースで報じられた
プリッカー賞(The Pritzker Architecture Prize)を受賞したその人達のことである。



Denis Balibouse/Reuters




New Museum は一番初めの写真を見てのとおり、
サイズの異なるいくつも箱を積み重ねて出来たかのような建物で、
コンテンポラリーな作品を扱う美術館らしい面白い外観だ。
入ってみると想像以上に館内は小さくこじんまりとしていたのが、また印象的だった。




プッリカー賞というものがどの程度のものなのか
建築に関してあまり詳しくない私にはよくわからないのだが
約30年に及ぶの歴代受賞者のリストを見ていると




といった、私の好きな建築家の名前も連ねている。



そのような素晴らしい賞を
また2人の日本人建築家が受賞したということは非常に嬉しいものである。




Note
木曜日の夜7〜9時は、New Museumの入場料が無料です。





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追記

SANAAが手掛けた金沢21世紀美術館とディオール表参道店をぜひ見に行ってみたい。
ディオールの方は東京なので日本に帰った際には比較的容易に見に行けそうであるが、
問題は金沢21世紀美術館である。いつ行けることになるのやら。しかし、いつか必ず。